超新星、中性子星、ブラックホール



重い星の断末魔
超新星にはいくつかのタイプがありますが、ここでいう超新星 は重い星(太陽より数倍程度)が一生を終える瞬間のドラマです。 星は重~い自分の体重を内部で燃料を燃やして、外側へ自分自身を 吹き飛ばすようにして、支えているんですね。燃料はいつしか 尽きてしまいます。それが星の死を招くのですが、ローソク が消える前に一瞬輝くように、大爆発をするのです。自分の 体重を支えられなくなった星は、外側の物質が中心に向かって 一気に落ち込み出します。

重力エネルギー
ビルの上から物を落せば、段々 スピードが増して地上に叩き付けられます。 叩き付けられた物は壊れ、熱くなったり、火花を出したりしますね。 これは重力のエネルギーがスピード(運動エネルギー)に変わって、 それが、叩き付けられる瞬間に、物を壊したり、熱や光を 発する形に転化するわけです。ビルの上の 物体は下の物体より重力エネルギーが大きいんですね。だから、 ビルの上に登るには、エネルギーが必要でフウフウいうわけです。

星の場合は
地上に該当するものがないので、どんどん物質は 落ち込みます。1万キロ以上も、地球の重力より強い場所を 中心に向かって落下するのです。だからそのエネルギーはビルから物を 落した比ではないですね。そうすると、中心の物質密度は どんどん高くなり、ある段階で落ちこんでくる物質を受け止め られるようになります。ビルの場合でいえば、地上ができた訳です。 猛烈なエネルギーの物質が、衝突し、跳ね返り、光を発します 回りの物質は吹き飛ばされ、中心には高密度の物質(=中性子星) が残る、という筋書きです。この爆発で放出されるエネルギーは 星がそれまでの一生に使ってきたエネルギーより遥かに(何億倍も) 大きいのです。秒単位の時間で起こるドラマです。

頭の体操
地球も結構重い。どうして潰れないのだろう? 潰れないように支えているのは何だろう。岩が支えてる? それは答のような、答えでないような。 岩だと答えた人に質問。岩はどうして潰れないのだろうか。

1987年の超新星SN1987Aの残がいの作る奇妙なリング

SN1987Aと理論の実証
この爆発の時、中心から ニュートリノという素粒子が沢山放出されます。 1987年に 我々の銀河系のすぐとなりの大マセラン星雲(小さな銀河系です) で起きた超新星SN1987Aでは、日本の神岡鉱山の中にある 地下実験装置、カミオカンデ、で人類史上始めてこの 超新星からのニュートリノが捕まえられ、上記のような筋書きが 実証されました。その時皆さんの体も超新星からのニュートリのが 1000000000000000000000000000個位(100億の100億倍の100億倍) 音もなく通過していったはずです!

ブラックホール
死に向かう星が太陽の10倍も重いと、中心にできる 高密度物質では、落ち込む物質を跳ね返せず、回りの物質は、 無限に中心に向かって落ち込み続けます。 これこそまさに無限地獄。その結果できるのが、ブラックホール です。
白色矮星
太陽のような星の最後は穏やかで、段々縮んで 最後には高密度(中性子星程ではないが、ものすごい密度)の 白色矮星(半径は地球くらい、重さは、太陽くらい)になって しまいます。太陽の寿命はおよそ100億年程度。もう 生まれてから50億年はたっているから、後50億年もすれば、 ハルマゲドンは確実に起こる。そのとき 人類はどうしているか。その前にとうに滅亡しているというのが 通説?。